弊社にてウェブサイトのご相談と併せてよくお受けするのは、現在使っているサーバーを使うか、乗り換えたほうが良いかという内容です。
サーバーに関しては様々な見方がありますので、お客様のウェブサイトに合った手段をご提案しております。今回はサーバーに関する内容になります。
目次
はじめに
サーバー選びのはじめの岐路としては、エックスサーバーやさくらサーバーのようなレンタルサーバーを使うか、AWSやAzureのようなクラウドサーバーを使うかというところだと思います。
もう一つ、オンプレミスで自社サーバーを持つという方法もありますが、すでに用意されている場合を除きオススメできません。
理由は保守費用などのランニング費用が掛かりますし、サーバーを設置する場所も設置するための時間も確保しなければならないためです。また、拡張は自由になりますが、そのたびに設備を増強しなければならないため、時間とコストがかかります。
今回はレンタルサーバーとクラウドに焦点を置いて解説します。
レンタルサーバーとは
レンタルサーバーには「共用サーバー」「VPS」「専用サーバー」の3タイプがあります。
共用サーバーとは
共用サーバーは一般的にレンタルサーバーと呼ばれているサービスを指し、ユーザーが複数人で一つのサーバーを利用します。
共用サーバーのメリット
共用サーバーのメリットは、費用が安いことと、基本的な保守やサーバー構築部分はレンタルサーバー会社のサービスに含まれている点です。難しいサーバー構築の作業は発生しません。ユーザーの作業としては、各種CMSのインストールやHTMLファイルをアップロードするだけでウェブサイトが作れてしまう点です。
もう一つのメリットとしてはSSLサーバー証明書を無料で発行できる可能性あることです。ドメイン認証では、グローバルサイン、ジオトラストなどサーバー証明書を発行するために年間約30000円の費用が発生します。無料SSLで問題ない場合、こちらも共有サーバーの一つのメリットとなります。
共有サーバーのデメリット
レンタルサーバーのデメリットは、一部の設定をできないことがあることです。
レンタルサーバーの事業者によりますが、プランによっては一部の機能で設定変更ができない場合や、サーバーによってはCMSをインストールできない場合もあります。そのため、必要な機能がしっかりと備わったサーバー選びをしなければならません。
また、一つのサーバーを複数のユーザーで共有するため、他者の影響を受けやすい点もデメリットになります。例えば、共有者のサーバーに多数のアクセスがあり、サーバーがダウンした場合、影響を受けることがあります。
VPSとは
VPSは(Virtual Private Server)の略で、仮想サーバーと呼ばれるものです。VPSでは1台の物理サーバーに、複数の仮想サーバーを構築します。共用サーバー違うのは、ホストOSの中にユーザーごとのOSが用意されている点です。
そのため、共用サーバーのように、他のユーザーの利用の影響によって障害が発生したり、動作が重くなってしまったりということは基本的にはありません。
専用サーバー
専用サーバーは共用サーバー、VPSと違い、1台の物理サーバーをレンタルします。内部の構築や保守などの作業はユーザー側で行わなければいけません。そのため、運用していくためには、知識がある方が必要です。
専用サーバーのメリット
専用サーバーは、共有サーバーと比較すると、スペック、安定性共に優れています。また、回線や容量も独占して利用できるため、レンタルサーバーの中で最も安定的な稼働が可能です。
また、他の利用者の影響を全く受けないこともメリットとしてあげられます。
専用サーバーのデメリット
専用サーバーのデメリットは導入コストが他に比べて高いことと。そして、サーバーのメンテナンスも基本的には自分たちで行わなければならないため、運用コストがかかります。サーバー会社によっては運用を代行してもらうことができますが、どちらにせよコストはかかってしまいます。
クラウドとは
最近よく耳にすることが多いのがクラウドサーバーです。
AWS(アマゾンウェブサービス)やAzure(マイクロソフト)などが有名です。クラウドサーバーはVPSと同様に仮想サーバーを構築します。VPSは1台のリソースが固定なのに対して、クラウドでは複数使うことができるため、急激なアクセスの増加にも対応が可能で、安定的な運用を行うことができます。
料金も使った分だけ支払う従量課金制が適用できますので、アクセスにばらつきがある場合は、無駄のないコストで運営できるクラウドが便利です。
ウェブサイトにおけるサーバー選びのポイント
ここからはウェブサイトを運営するサーバーを選ぶポイントを解説します。
通常のウェブサイトを運営する場合
中小企業のサイトや、サーバー管理において専任者を持たせられない規模のウェブサイトであれば、共用サーバーを選ぶのが無難な選択となります。
大規模のメディアサイトやキャンペーンサイトを運営する場合
大規模なメディアサイトやキャンペーンサイトなど、一時的に大多数のアクセスを集める可能性がある場合だと、レンタルサーバーではさばききれずに、サーバーがダウンすることも考えられます。そのため、使った分だけリソースが確保できるクラウドサーバーを利用するのがおすすめです。
仕様で確認すべき項目
レンタルサーバーを選んだ場合は、仕様一覧や機能一覧の中で、特にチェックしておくべき項目を解説します。
プログラムのバージョン
ウェブサイトにCMS等のシステムを導入する場合、言語との互換性があるかをチェックしなければなりません。特にWordPressに使われているPHPのバージョンや、データベースのバージョンなどはチェックしておきましょう。特にPHPはウェブサイトの動作に大きく関わってくる部分ですので、注意しましょう。
ディスク容量
ディスク容量はウェブサイトのデータを格納できる容量を指します。通常のテキストコンテンツであればほとんど容量はかかりませんが、PDFや画像を大量に使うウェブサイトの場合は注意が必要です。
また、クラウドであれば従量課金で問題なく運営することが可能ですが、レンタルサーバーだとグレードアップ等の手続きで再契約を行い、データを移行する必要があることもあります。
転送量
転送量は、アクセスがあった時の送られるデータ量の上限を指します。アクセスが集中するとサーバーに大きな負荷がかかるため、転送量が制限されています。
ここでポイントになるのは、複数のサイトを一つのサーバーで運営する場合です。たとえドメインが分かれていても、転送量はサーバーに依存します。
表示速度
表示速度はユーザーがアクセスしてから画面にサイトが表示されるまでの時間を指します。
表示速度が遅いとユーザーがストレスを感じ、使いにくいサイトと判断され、離脱してしまう可能性があります。
特にモバイルによるアクセスが多いサイトや、大きな画像をたくさん使ったウェブサイトだと注意が必要です。モバイル端末においては、表示速度が3秒以上だと、離脱率が急激に上がるという調査結果も出ています。
サーバー選びに失敗しないために
レンタルサーバーではほとんどの場合1~2週間の無料期間が設けられています。
無料期間の段階で、必要な機能が備わっているか、サポート体制は問題ないか、表示速度に問題がないかなどを検証することができます。この無料期間を活用して比較、検討するのも一つの手だと思います。
今回はサーバーの違いと選び方のポイントについて解説しました。
いいウェブサイトはウェブサイトも大事ですが、サーバーも重要なポイントになります。表示速度や転送量はユーザービリティに直結しますし、ウェブサイトを運営するうえでもサポート体制や稼働状況は大切になります。
もしサーバー移行などをご検討であれば、お問い合わせいただければと思います。