インタビュー interview

キッズアカデミーノア

挑戦している人や企業にフォーカスし、その取り組みやリーダーシップ、チームビルディングなど様々なことについて伺うインタビュー記事。第1回目は江東区辰巳にあるプリスクール、Kids Academy Noahを訪問しました。

 

日本でも最近よく耳にするようになったプリスクール。

もともと英語圏において、preschoolは5歳以下の子供が通う保育園のような施設をさしますが、日本では英語環境下で保育を行う施設として認識されています。

京メトロ有楽町線、辰巳駅から徒歩8分、都営バス「辰巳橋」停留所から徒歩3分の場所に位置する、東日印刷のSTビル辰巳別館。その5Fに2016年9月1日にオープンしたKids Academy Noah(キッズアカデミーノア)はあります。

今回は、Kids Academy Noahを運営する株式会社 Noah Internationalの代表を務める楠本真波さんに、起業のことやリーダー論、そして子育てについて伺いました。

 

保育への思い、そして起業

そもそもなぜプリスクールを始めようと思ったのですか?起業までの経緯をお聞かせください

学生時代、留学していたオーストラリアで、英語力向上を目的とし、ボランティアで幼稚園に通っていたのですが、その時子供たちと触れ合った経験が保育の道を志すきっかけとなりました。

帰国後、幼稚園教諭と保育士の資格を取得し、インターナショナルスクールや、認可保育園で保育士として働きました。

インターナショナルスクールや日本の保育園で働く中で、それぞれの素晴らしさをかけ合わせてひとつのかたちにすることはできないかと思い始めました。それが起業のきっかけです。

お若いのによく決心されましたね。

基本的にかなりのプラス思考です(笑)

実際起業されてみていかがでしたか?

もちろん大変なことはたくさんありました。最初の3ヶ月は生徒も少なくて本当に大変で…。

土日を除き、当然スクールは毎日ありますが、火曜日と木曜日しか生徒がいませんでした。週の大半を私と2人の先生で過ごして…。

現在はいかがでしょう。

現在は、おかげさまで1歳から11歳まで、60人の子供たちの面倒を見させていただいています。スタッフも外国人4人、日本人3人(その中の1人は保育士の資格を持つ)となり私も含め8人のスタッフがいます。ようやく軌道に乗ってきたかなといった感じです。

60人?ずいぶんと増えましたね。しかも1歳から11歳?ノアのクラスの種類について伺ってもよろしいですか?

1歳児を対象としたLittle Cloudコース、2〜4歳のSky、年少、年中、年長の園児を対象としたAfter School、小学生を対象としたLittle Starなどがあります。

ノアならでは特徴、強みとは何でしょう。

プリスクールということでどうしても英語について注目されがちですが、ノアの最大の特徴は保育にあります。私自身も保育士ですし、現在は他にも1人の保育士がいます。これは、子供の発達と保育について学んだスタッフで、一人ひとりに応じた保育をしっかりと提供していこうという思いからです。

一人ひとりに応じた保育は、保育の教育原理を学んでいないと提供するのが難しいものだと思ってます。プリスクールはどうしても英語の習得がメインになってしまい、保育の面で足りない部分が生じます。そうした問題を解消したいと思っています。

保育園にも勤めていた楠本さんならではの発想ですね。英語の教育に関してはどのようにお考えですか?

英語って習うものじゃなくて慣れるものなんですよね。これは英語に限らずどんな言語にも共通して言えることかもしれません。

ノアの特徴は毎日の生活の中で、無理なく自然と英語に触れる環境を用意している点にあります。そのベースには私自身の留学経験があります。

日本で行われる英語教育は科目としての英語教育。でも、本来英語とはコミュニケーションをとるためのツールです。英語を学習するというのが目的ではなく、大好きな先生やお友達と仲良くなりたいから英語を話す。だからこそ身につくのだと思っています。

楠本さん

 

スタッフが気持ちよく働ける組織を目指して

起業家としての一面について伺います。

先ほど起業した際のエピソードを少し伺いましたが、実際一社員として働いていた頃と比べて何が変わりましたか?

やはりマネージメントの部分が増えました。

それはお金のコントロールであったり、人のコントロールであったり。当然のことですが目を配らなければいけないものが増えました。それから…。

それから?

強くなりました。(笑)

強く?

はい。プリスクールなどと言えば聞こえはいいですが、私たちの仕事というのは、みなさんの可愛いお子さんの命を預かる仕事だと思っています。だから、室内にいても外にいても、「もしこんなことが起こったら」と常に気を張っています。例えばスタッフ教育の一環として、外国人講師を防災館に行かせたこともあります。外国人は地震などに不慣れな部分があります。あらかじめ地震を体験させることにより、そうしたことが起きた際も冷静に対処できるようにしています。子供たちの安全を守るのですから、強くなければ務まりません。

外国人スタッフとはどのような関係ですか?

ノアには4人の外国人講師がいますが、彼女たちは単身異国にいるわけですから、私以外に頼る人間はいません。もちろん友達はいますが、家族や兄弟は本国です。ですから、私は自然と保護者のような立場になっています。何か困ったことがあったら、何だって相談に乗るし、力になるよって彼女たちには伝えてあります。

何というか、普通の人であればプレッシャーを感じてしまうようなことも、そうやって明るく話すことができるところが凄いですね。

かなりのプラス思考なんです。(笑)

これはノアの風土でもありますが、口にする時はプラスな言葉を選ぶようにしています。

楠本さんなりの人心掌握術みたいなものってあったら教えていただきたいです。

そんな大げさなものではありませんが、スタッフには裁量権を持たせてのびのびやらせるように心がけています。保育に関して外国人スタッフは知らないこともたくさんありますが、最初からアドバイスはせず自分で考えさせることを大切にしています。自分で考えるからこそ人って成長できるんですよね。

楠本さんはそんな時何をされているんですか?

私は…。事務仕事と、子供をトイレに連れて行ったり、あとは1日の最後の掃除。(笑)

裏方ですね。

そうです。裏方です。(笑)授業中だって、イベントの時だって、主役は子供たちと先生。それを裏で支えるのが私の仕事だと思っています。それが、子供たちにも先生とってもいいと思ってます。のびのび、楽しくやってもらうことが大切。もし、何か失敗したら私が出て行って謝ればいいんです。スタッフにもそう伝えています。それで信頼されている部分はあるかもしれません。

逆に楠本さんの目指すものに共感できないスタッフは今までいなかったのですか?

ノアの場合、働く前に就業体験をしてもらうことにしています。その中で、もし方向性の合わない方は、ノアで働くことを希望されません。

楠本さん

 

子育てについて

子育てに関して少し伺います。子育てに関して重要なこととは何でしょうか?

愛情を言葉にして伝えること、そしてそれに行動を交えること。

それは愛してるだったり、ママは味方だよだったり、良くできたね、すごいねだったり。そういう言葉がけをして、抱きしめてあげたり、頭を撫でてあげたり。

意外にもシンプルですね。

そうです。大切なことってシンプルなことだと思います。

小さい頃子供はずっとママやパパに抱っこされてるじゃないですか。1日のほとんどの時間がそう。だから子供は何も言わなくても、自然と親に守られている、親に愛されているというのを確認することができます。

でも成長すると、抱っこしてあげたり、抱きしめてあげる機会って少なくなりますよね。だからこそ、まずは言葉にして伝えることが大切だと思ってます。

親はいつだって、「ママはこれだけしてあげている」、「パパはこれだけしてあげている」って思ってて、だから分かるでしょ?ってなってしまう、でも、それってやっぱり大人が思うほど子供には伝わっていないものです。

成長の過程で触れ合う機会はどんどん少なくなる。だからまずは、愛情を言葉にして伝えることが大切。そして、できれば、そんな時は、抱きしめたり、頭を撫でてあげてください。

子育てをしていると悩んでしまうことってたくさんありますよね?そういう時の対処法についてはいかがでしょう?

私は縦の繋がりが大切だと思ってます。

縦の繋がりとはどういうことでしょうか?

例えば先輩ママと新人ママのような繋がりです。

子育てをしていると視野がどんどん狭くなっちゃうんですよね。

家庭の問題、自分と目の前の子供の間の問題って。どんどん思いつめてしまう。だから、育児ノイローゼじゃないですけど、色々なことを考えて悩んで怒って自己嫌悪に陥って。

そんな時に周りに相談できる先輩ママがいると、きっと救われると思うんです。先輩ママはそんな時多分言うんですよ。「それはずっと続くわけじゃないよ」って。

ママとママの繋がり。ノアはそういうママ同士の繋がりの場になっているのではないですか?

そうですね。この仕事をしていて本当に良かったと思えるのは、ノアを通じてママ同士の繋がりが生まれていくのを感じた時です。それも、私の知らないところで。そういう繋がりが生まれていくと、この仕事をやっていて本当に良かったと感じます。

子育てって孤独な部分があるじゃないですか。でも、そういう繋がりがあるからこそ乗り越えていけるんですよね。

最後に子育てに奮闘する世界中のママに向けてメッセージをお願いします

育児って本当に大変だと思います。でも実は人生において育児で悩んだりする時間てすごく短い時間だと思っています。

もちろん、成長には個人差があります。だから、育児に悩む時間もその子の成長によって違うかもしれない。でも、大切なのはそうやって子供のために真剣に悩んであげること、親として子供のために全力で関わってあげること。そしてそういう時間には限りがあって、今そういう貴重な時間を過ごしているんだって前向きに捉えることだと思ってます。

実は、以前こんなことがありました。ノアに通っていた、ある子供のエピソードです。

毎日ママはその子のためにお弁当を作ってあげるんですが、その子は入園以来ずっと、そのお弁当を食べてくれなくて。その時はもう本当に色々な言葉がけをしました。本当に大変でした。

でも、3ヶ月ぐらいたって、その子がお弁当を初めて半分食べてくれたんです。だから、みんなそれはもう嬉しくて、その子のことをすごく褒めたんです。そうしたら、次の日その子は全部綺麗にお弁当を食べてくれたんです。

卒園の時、ノアではママから子供にメッセージを送るんですが、

「ママ、あの時お弁当食べてくれて嬉しかったよ」

って泣きながら言っているのを見て、胸が熱くなりました。子供は成長するって、人は変われるんだって思いました。

だから、今子育てで悩んでいる人も悲観しなくていいと思ってるんです。きっといつか、今という時間が懐かしく、そして恋しく思う時が来るはずです。

 

ノアのみなさん

とても陽気なノアのみなさん。お互いを強く信頼し合っている印象を受けました

 

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2018.11.12

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