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WordPressユーザーのためのSEO知識

T-NEXTではWordPressを利用してのWebサイト制作を行うケースが多いのですが、ここのところ、お客様からWordPressを指定してくださることも増えています。

これは自社でのコンテンツ更新をなどを含めて、Webサイトをもっと活用しよう!という時代の流れもあるのだろうと感じていますが、Webサイトの活用というと必ず語られるのがSEOですよね。

確かに、会社や製品、サービスのページが検索結果のトップ表示されれば大きな集客効果が見込めるため、取り組むべき価値があります。

しかし、古いSEOの知識では全くの逆効果になってしまうことがあります。手間暇をかけた施策が逆効果になっていたとしたら‥恐ろしいですね。

そこで今回は、SEOの知識を整理しつつ、WordPressでのサイト運営に役立つ知識をいくつか紹介していきます。

これらを理解しておくことで、検索エンジンに自社コンテンツをしっかりと理解してもらいやすくなります。それでは早速いきましょう。

SEOの歴史

冒頭で触れた通り、SEOは検索エンジンの進化に合わせて様々な手法が考えられてきました。その歴史を振り返るとSEOは移り行くものであり、検索エンジンとの終わりのない戦いであるということが理解できます。

いくつかのSEOの手法を振り返りながら、これまでのSEOを簡単にまとめました。

隠しテキスト

隠されたテキストを発見するbotのイメージ

20年ほど昔でしょうか?検索エンジンの初期の時代にはHTMLの正確性、テキストの量やキーワードの出現回数などで検索順位が決められていました。

そこで、キーワードの出現率を高めるため、ページの背景色とテキストを同じ色にしてキーワードを書き込むという手法が生まれました。これが隠しテキストです。

とにかくテキスト量があれば勝てる。そんな簡単な時代があったんですね。

被リンク

数年後、検索エンジンに「被リンク」という新しい評価基準が生まれます。

読んで字のごとく、他サイトからどれだけのリンクを受けているか?が評価されるようになり、他サイトのコメント欄に自分のサイトのリンクを書き込むコメントスパム、リンク獲得を目的とした相互リンク申請などの被リンクを集める手法が生まれました。

コンテンツファースト

当時の技術としては限界だったのでしょう。キーワード出現量も被リンクもすぐにハックされ、検索結果の中で「本当に有益な情報」を探すのは難しくなっていきました。

しかし、技術の進歩によりまた新たな評価基準が生まれます。それがコンテンツSEOです。検索エンジンのアルゴリズムが強化され、コンテンツ自体の良し悪しが評価されるようになりました。

これまでと違い、コンテンツは複雑なアルゴリズムで評価されるようになり、検索順位を上げるにはコレ!ということを断言することのできない時代へと突入しました。

検索エンジン=bot+アルゴリズム

コンテンツの良し悪しが判断材料となった、と書きましたが、実際にそれを判断する仕組みについても簡単に触れておきます。一見関係無いように見えることですが、実は大切なことです。

Webサイトの情報を持ち帰るbot

検索エンジンは、botと呼ばれるプログラムを使って全世界のWebサイトを巡回しています。自動で巡回することから、クローラーとも呼ばれることがあります。

彼らがリンクを辿りながら世界中のWebサイトを巡回し、その内容を読み取り、検索エンジンのデータベースに持ち帰ることで私たちのWebサイトは検索エンジンに記録されます。

順位を決めるアルゴリズム

情報がデータベースに記録されると、記録された内容を別のプログラムが解析して順位を決定しますが、このプログラムのことをアルゴリズムと呼びます。

アルゴリズムは日々アップデートされており、現在のところ250ほどの評価項目や自然言語解析などの結果を元に順位を決定していると言われています。

本題!WordPressユーザーのためのSEO知識リスト

コンテンツファーストの時代が到来したことで、良いコンテンツを速く作ることが競争のフィールドとなりました。とはいえ、情報を集めるのがbotであることも、順位を決定するのがアルゴリズムであることも変わりません。

前置きが随分長くなりましたが、ここからが本題です。

これから紹介するのは本当に基本的なことですが、大切なコンテンツをbotやアルゴリズムに正しく、速く理解してもらうためにとても重要なことです。

また、一部の誤解についても触れていきます。

適切なタイトルをつける

多くの場合、タイトル欄に入力されたタイトルはそのWebページのタイトルとして登録されます。

そのページの内容と繋がりのあるタイトルをつけましょう。タイトルに入力された内容はページの内容を判断するにあたって大きなウェイトを占めています。

パーマリンク

パーマリンクはタイトル欄の下に位置していて、ページのURLを設定する欄です。WordPressの設定によっては自由に変更できることもありますし、できないこともありますが、URLに関するGoogleの公式情報は以下の通りです。

サイトの URL 構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で(可能な場合は ID ではなく意味のある単語を使用して)URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。

この他、webマスター向けの動画チャンネルなどでも、番号やIDなどを用いたURLより意味をもつ単語であることは小さいながらも順位決定に影響を及ぼす、と明言しています。

また、URLを設定するときには、以下の注意点を覚えておいてください。

  • ・パーマリンクは英数字で指定する。出来るだけ意味の通じる英単語で
  • ・単語を複数使用するときの区切りにはアンダーバーではなく、ハイフンを使用する
  • ・日本語を使用しない

抜粋(メタディスクリプション)

WordPressのエディタ画面のどこかに「抜粋」や「meta desctiption」という欄がないでしょうか?

これらはページの概要を外部に伝える役割を持っています。検索結果画面に表示されたり、記事一覧ページに表示されるテキストをコントロールするための入力エリアです。

「順位づけの評価としては利用していない」というGoogleのコメントもありましたが、検索ユーザーはこの抜粋文とタイトルによってどのページを読むか決めています。

そして、近年の検索順位決定にはクリック率が大きく関わっていると見られています。となれば、少しでもクリックしてもらうために一定の時間をかけて考える価値があります。

meta keywordsは使用しない

もし運用中のWordPressに「メタキーワード」があっても、入力する必要はありません。

Googleはメタキーワードを読んでいない、とはっきり表明しています。また、Wiindows10の標準検索エンジンであるbingでは、メタキーワードをスパム判定することがあります。

botに伝わりやすいエディタ活用のポイント

検索エンジン=ロボット+プログラムで書いた通り、検索エンジンにコンテンツを届ける役割はbotが担っています。
ということは、コンテンツはbotが理解しやすい状態である方が良いということです。

botが読みやすいコンテンツのために覚えておくべきエディタ機能をまとめます。

見出しを正しく使用する

WordPressのエディタには見出しが6種用意されています。これらは文章の構造化のために使うべきで、見た目の変化のために使用するべきではありません。

文書にはタイトルがあり、章があり節があり、段落があります。章の見出しに見出し2を使用したのなら、節の見出しは見出し3であるべきです。

Web自体が論文の共有を目的に生まれた技術であるため、文章構造を表現するための機能があります。そしてアルゴリズムもその文書構造機構を利用してコンテンツの意味を理解してします。

見出しの内容は検索順位の決定に強く関わっています。高いレベルの見出しには特に注意しましょう。

改行を見た目のために使用しない

標準的なWordPressのエディターでは、リターンキーによって段落が区切られることになります。

もし改行であるという認識をされていたのなら残念ながらそれは異なります。段落ではなく単純な改行を行うにはシフトキーとリターンキーを同時に押してください。

ただし、段落も改行も、文章の間にスペースを設けるために使用するのは避けるべきです。

リンクにはテキストを設定する

コンテンツの中で、他のページへのリンクを設定することがあるでしょう。この時にはhttps://~~のようなURLではなく、テキストに対してURLを設定することが推奨されています。WordPressではリンク設定の表示文字列欄で入力、変更が可能です。

アップロードするファイルは英語で命名する

WordPressではアップロードされたファイル名が日本語であった場合、ファイル名をランダムなアルファベットへ変換します。その結果、Google画像検索などに正しい情報を伝えられなくなってしまいます。

代替テキストを入力する

現在、botは画像をそのまま画像として認識できません。そのために、という訳ではないのですが、altテキストというものが用意されています。WordPressでは、代替テキストという欄で入力できます。

botはここに入力されたテキストを元に、掲載された画像の内容を把握していきます。

(altテキストは音声ブラウザユーザーにとっても必要不可欠な情報です。可能な限り記述しましょう。ただし、装飾としての画像に記述する必要はありません。)

引用する場合の注意点

他のサイトからテキストや画像を引用する場合には、引用ボタンを使いましょう。

明示しないまま他サイトのコンテンツ引用していた場合、コピーコンテンツとして認識され、ペナルティを受ける可能性があります。

また、引用を明示していたとしても、ページの大半が引用で構成されるようなページは「低品質コンテンツ」と見なされます。過去の歴史から「低品質コンテンツ」は検索エンジンにとって「敵」とも言えるものです。独自性の低いコンテンツを公開しないよう、注意しましょう。

B(太字)ボタン、I(イタリック)ボタン

WordPressのエディターにはテキストを太字にするBボタンとテキストを斜体にするIボタンがあります。

これらも、見た目の変化ではなく、重要なテキストであることを伝える役割を持っています。Bボタンは強い強調、iボタンは弱い強調です。

リストボタン

リストボタンには二種類がありますが、これらも用途が分かれています。

  • 番号付きリストは順序が大切であるものに使用しましょう。例えばレシピなどです。
  • 順序を持たせる必要がない箇条書きは番号なしリストを使用します。

以上がコンテンツをWordPressへ入力する際に注意するべきポイントです。

カテゴリーの正しい設定方法

コンテンツを正しく分類する

見出しを正しく使用するの箇所で、章に見出し2を使用したのなら節には見出し3を使用するべき、と言いました。

これはコンテンツの主従関係を自然なものにするという、文書の原則によるものです。そしてこれはサイト全体の構造についても同様です。

カテゴリーとして関東があるのならば、そのカテゴリーに北海道のコンテンツをおくべきではありません。

スラッグを設定する

URLは意味のある単語で形成されるべきとパーマリンクの節で紹介しましたが、これはカテゴリーにも同様です。
もしカテゴリーを設定できる状態なら、メニューバーから「投稿」 > 「カテゴリー」 をクリックして、「スラッグ」を設定しましょう。

スラッグはカテゴリーのURLを入力する欄です。パーマリンクと同様に意味のある英単語で構成し、単語の接続にはハイフンを用います。

検索エンジンにサイトマップを提供する

サイトマップはユーザーにとっても親切なコンテンツで、多くのサイトでページとして用意されています。そしてbotもサイトマップを頼りにコンテンツを把握します。

しかし、botにとってわかりやすいサイトマップはページとしてのサイトマップではなく、XMLサイトマップという形式のサイトマップです。(コンテンツとしてのサイトマップでも役割は果たします。)

Webサイト全体がWordPressで管理されているなら、Yoast SEOやgoogle xml sitemapなどのプラグインを利用してbot用のサイトマップを出力するのが手軽です。

また、コンテンツを追加した場合にはサイトマップを更新し、botへのクロールリクエストを行うとより早く情報が検索エンジンに登録されます。

おわりに

ここまで紹介した内容を理解していれば、WordPressユーザーとしてのSEO知識は十分なものだと思います。

後はユーザーの役に立つフレッシュでオリジナルなコンテンツを作り、サイトを宣伝するだけです。

しかし、もしあなたがWordPressの管理者である場合にはもう少し知っておくべきことがあります。近いうちにそちらも紹介できればと思っていますので、お楽しみに。

それではまた!

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