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薬機法とは?ウェブマーケティングで注意するべき薬機法について解説。

みなさん、薬機法という法律をご存知ですか?

名前だけは聞いたことあるという方も多いと思います。

薬機法は、以前から定められていた「薬事法」が2014年に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と名前が変更された法律で、名前の通り、医薬品、医療器具など、人の身体に影響を与える商品の販売に関する法律です。

今回は「薬機法」について解説していきたいと思います。

薬機法の適用範囲

薬機法は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。薬機法がかかわる商品は大きく分けて、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の4カテゴリに分類されています。

「医薬品も医療器具も販売していないから関係ない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、摘発されているケースのうち「医薬品」「医療器具」の違反もありますが、それよりも多いのが「医薬品でないもの」に対する罪です。

例えば、サプリメントや食品の広告が薬機法上の「医薬品の広告」とみなされた場合、未承認医薬品(医薬品として認められていないもの)の広告を出した罪が成立し、罰が課されます。

ウェブや広告への影響

薬機法では広告の表現に関する規定が設けられています。

ウェブサイト、ランディングページも「広告」とみなされますので、記載には注意が必要です。

医薬品と誤解を招く表現の禁止

例えば、「マスク」。今では手作りのマスクを使う方もいますし、作ったマスクを個人販売されている方もいると思います。

突然ですが、「マスク」は医薬品に該当するでしょうか?

今ではほとんどの方が使用されているマスクですが、マスクは「雑貨」に分類されます。そのため「ウイルス○%除去」という表記はできても「コロナウイルスを防ぐ」というように「コロナウイルス」「インフルエンザウイルス」などの特定のウイルスを記載することはユーザーが「医療品」との誤解を招くため禁止されています。

マスクを使う用途としてウイルス以外で思い浮かぶのが「花粉」です。

「花粉を○%カット」といった表現は可能ですが「花粉症対策に!」というように「花粉症」などの具体的な病名を記載することは同様の理由から禁止されています。

誇大表現の制限

健康食品や化粧品などで多く使われることが多いのが「誇大表現」です。

代表的なものは「アンチエイジング」「痩せる」など。

アンチエイジングは「老化を防ぐ」というような意味で使われますが、「老化を止めることなど不可能」であるため、このような広告は禁止されています。

「飲むだけで痩せる」というような広告もウェブで見ることがありますが、規制が追いついていないだけで、薬機法に則ると禁止となります。

年齢や体型、毛髪など体に対する悩みを抱えている方が多く、目につきやすくいため、規制も厳しくなっています。また、これらの表現は薬機法だけでなく景品表示法でも規制の対象となりますのでご注意ください。

その他の対象

このほかにも薬機法の対象には「ペットフード」「健康美容器具」「家電」なども含まれています。基本的な考え方としては「人の身体に影響を与える商品」は薬機法の対象の可能性が高いです。

取り扱う商品が薬機法に含まれる内容であるかを事前にチェックしたうえで、触法しないライティングを心がけましょう。

過去の事例

過去の事例では、2020年7月に医薬品として承認されていない商品で「肝臓の機能の改善に効果がある」と誤解を招く表現をインターネット広告に記載し、広告主(販売会社)と広告代理店、制作会社の3社の関係者、計6人が逮捕されたケースなどがあります。

この事件で衝撃的だったのは、広告主だけでなく、広告代理店や制作会社からも逮捕者が出ている点です。

広告主の希望に則り広告を作成するケースがほとんどだと思いますが、そのような場合であっても、委託先の制作会社にまで逮捕が及んでいる点から、ウェブ制作やクリエイティブを作るうえで「知らなかった」では済まされない法律となってきています。

 

インターネットが普及し、情報が誰にでも発信できる時代になったことで、情報の質が問われるようになりました。

医薬品や健康食品は、人の身体や生命にかかわるような重要なものであるため、劣悪な製品やユーザーの危機感を煽るような広告は規制が厳しくなっています。

製品を販売する会社だけでなく、ウェブライティングやクリエイティブを作る側にも責任を問われるようになってきています。「クライアントの指示に従った」と言っても責任は逃れられないことがあります。「知らなかった」で済まされないのが法律です。

厚生労働省や関連機関には、ガイドラインが設けられていますので、わからないことがあった時にはぜひ参考にしてみてください。

 

この記事は2021年1月現在の法律をもとにしています。

詳しくは法務担当者や弁護士へご確認ください。

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